OSKは大阪繊維共同販売所の頭文字から命名されているのだが戦後まもない木造の時代に命名されているのだからハイカラな印象だったろう。船場丼池筋という限られた範囲で筋に面した店舗を持つことが難しく、ビルの中を5坪の大きさに区切ってすべて生地屋が入居し、全国のデザイナーや洋品店主らを迎えたという、云わばショッピングモールの原型のようなビル。丼池筋にはこのような共販所ビルが軒を連ねていたがすべて姿を消し、このビルが唯一残る。今では小さな区画を活かしてアパレルショップや靴屋、デザインオフィスなど、屋上の倉庫兼作業場にはボルダリングジムが入居し、古い商売の街に新しい風を吹かせる存在に。
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